
家電量販店あたりはお店の方から「ご相談下さい」「他店を見てからご来店下さい」と、☆価格交渉大歓迎!☆といった雰囲気が漂っています。もちろん、値引きを見越して価格設定しているのでしょうけれど、何より量産品なのでお店ごとのサービス合戦がしやすいとも言えます。
では不動産はどうでしょうか?
正直に申しますと、価格交渉をせず提示された価格で購入される方は非常に少なく、希少価値が高い、またはご自身のニーズにぴったり合ったと判断された方が「即決で!!」とおっしゃる位です。肌感覚では1割程度ではないでしょうか。(交渉が成立するか否かは別問題です)
基本的に不動産は「全て1点物」。たとえ同じ分譲地に同じ仕様の住宅が建っていたとしても、その位置で日照・眺望、まして中古住宅ならその使われ方や手入れの頻度など1つとして同じものは存在しないので、「定価」という概念が存在しないものなのです。
その為、販売価格の決定にあたっては現地調査・官公庁での調査など様々な観点から調査を行い、周辺相場や固定資産税評価等を勘案して価格査定を行い、最終的には査定結果を見た売主様が販売価格を決定します。

売主様には「あまり査定価格とかけ離れた高値にすると、売れにくくなりますよ」とアドバイスしていますので、ほとんどの売主様は査定価格に近い値段で売りに出しております。また分譲地の場合は、造成工事や諸手続きにかかる費用も結構馬鹿にならないので、皆様が思うほどの利益は上乗せされておりません。
大半の方が人生1度きりの大きなお買い物だけに、少しでもお支払いを抑えたい気持ちは理解できますが、ある程度明確な根拠をもって算定している価格、それも地方都市では元々の価格がそれほど高額ではないだけに、例えば「100万円くらい値引いてよ」と交渉されても、「承知致しました」とお答えするのは現実的ではないのが本音です。
(むしろ、あっさり値引きに応じる方が怪しいと思いませんか?)

せっかくご縁があってご希望の物件に巡り合えたのですから、売主様・買主様の双方が気持ちよく取引ができるよう、値引き交渉は結構ですがほどほどに・・・というのがよろしいかと思います。