「脱ハンコ化」と言われていますが、現実にはなかなかなくならないのが印鑑です。
(正直なところ、いまや印影さえあれば3Dプリンターでいくらでも模造できそうですが・・・)
不動産取引においても印鑑はいまだに現役で、重要事項説明書・契約書はもちろん、委任状や行政への提出書類、資金の移動の為には金融機関の届出印など、とにかく押しまくります。
先日、約20年ぶりに「お客様」側として建物賃貸借契約をした時、記入欄と捺印欄の多さに辟易したものです。
さて、よく聞かれるのが「どの印鑑を用意すれば良いか?」というものです。
基本的には
売主様は「実印」と「金融機関の届出印」
買主様は「金融機関の届出印」1本
あれば良いと思って頂ければよろしいです。特に事情がある場合は都度ご案内します。
買主様は契約書類は認印で良いのですが、わざわざ購入資金移動用の届出印と分けるのも面倒なことでしょう。「金融機関の届出印をあまりあちこちに押したくない」のであれば別途ご用意頂いても構いません。
売主様が実印なのは、「不動産を手放す=財産を手放す」という事で、所有権の移転の際にはより厳格な本人確認が必要になります。そこで、基本的には本人または委任状をもらった人でないと取得できない印鑑証明書を役所で取ってきていただき、物件引渡時にご提出頂く事で確認をしている訳です。
売主様・買主様いずれも全く出番がないのが、朱肉が無くても使える印鑑(世間一般に「シャチハタ」と呼ばれるもの)です。手軽な反面、量産品なので本人確認用としては効力がないという事ですね。